1999年の夏に、那須高原に「モンゴリア・ビレッジ テンゲル」をオープンした。モンゴル国の遊牧民が暮らす「ゲル」と呼ばれる移動式天幕(テント)をそのまま使用する新しい集いの場としてプランしたものである。「ゲル」のもつあたたかさや、やすらぎの中で心やいき方を豊かにするための、大切な時間を過ごす。そして、なによりもその空間で、「仲間」というものを再認識することができたらいいなあ、21世紀のテーマだなあ、とそんな思いでそのプロジェクトを推進した。僕の考える「仲間」とは、家族であり、親子であり、友人であり、恋人同士...。さまざまな人たちが、それぞれの思いをもって、「ゲル」に集い、ともにテーブルを囲み、ともに食事をし、ともに語らう。特別 な人とゆったりとした時を共有し、新たな絆をみつける。大切なのは「ゲル」はあくまでも「場」であって、どのようにその時を過ごすかは、その人が主役になって、コーディネートしてゆくという事。そこが、従来の観光リゾートを中心とした「大自然あり、癒しパック」と「テンゲル」の大きな違いにしたい。
(ちなみにテンゲルとは、天・天空を意味するモンゴル語。また、ビレッジ全体を10個のゲル「直輸入」で構成していることからテンのゲルとネーミング。)
モンゴル伝承民話
このビレッジのオープニングに先駆けて、モンゴルの伝承民話のビデオ絵本を作成した。つねに移動しながら家族で暮らしているモンゴルの人たちにとって「民話」は生活の糧であり、知恵であり、大自然で暮らしていく掟でもあるようだ。僕は、このプロジェクトを立ちあげてから数多くの「民話」を教えて頂いたのだが、それは、過去のものではなく、今のモンゴルにおいて、日常的に使われているものであることを知って驚いた。そして、なによりも、そのシンプルな物語から、「仲間」っていったいなんだろう? 「人間」って?「自然」って?「社会」って?と、あらためて、今の世の中を問われているように感じた。
 人間の価値観は、成長を優先する近代的な合理主義から、微妙に変化してきている。地球環境への関心の高まりもその現れであるし、また情報化社会の進展は、新しい文化の時代を招来させる。そんな21世紀をどのようにプロデュースしていけばいいのか、子供たちに何を残してあげられるのか、また、そのためには僕自身どう生きていけばいいのか、モンゴルの「民話」は、忘れてはいけない何かに気付かせてくれる。そんな訳で、ナレーションをいれたビデオ絵本なるものを「テンゲル」のオープニングセレモニーとして制作し「上映」したのである。ここに紹介するモンゴル民話をご覧いただく方々も、きっとそんな「思い」を持っていただけるのではないか、と思う。教訓としての「民話」ではなく共感としての「民話」でありますように。
  ここでご紹介する5つのお話

1.警戒しすぎた3匹

2.ツバメ

3.コウモリ

4.アナグマとヤマネコ

5.オンドリ
テンゲル短歌



神秘的な「ゲル」の中で、
あなたも楽しい短歌を詠んでみませんか?
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