-モンゴル伝承民話-
■アナグマとヤマネコ
昔むかし、モンゴルの森にアナグマとヤマネコが住んでいました。アナグマは、「自分の影のほかに友達もなく、自分のシッポのほかに仲間もいないなんて寂しいなぁ」と思って暮らしていました。

ある日、いい考えが浮かびました。
「そうだ!弟を持とう」さっそくアナグマはヤマネコのところに行きました。そして、大きな声で言いました。

「おーい、ヤマネコっ!兄弟になろうぜぇ」するとヤマネコは言いました。
「いやだね、おまえと兄弟になんかなるものか、おまえは僕が捕まえたウサギを横取りしたじゃないか」と言いました。

アナグマは、うつむきながら家に帰りました。

何日かたったある日、ヤマネコも
「自分の影のほかに友達もなく、自分のシッポのほかに仲間もいないなんて・・・」と寂しく思っていました。

そこで、「やっぱりここはひとつ、お兄さんを持とう」と思い立ち、すぐにアナグマのところへ行きました。そして、大きな声で言いました。

「おーい、アナグマぁ!兄弟になろうぜっ」すると、こんどはアナゲマのほうが
「いやだね、おまえは僕が冬用に準備しておいた鹿の足を盗んだじゃないか」と言いました。

ヤマネコは、うつむいて家に帰っていきました。

しばらくしてアナグマは、「うーむ、ヤマネコと兄弟になるべきだったなぁ、追い返すことはなかったよ」と思って、ふたたびヤマネコのところへ行きました。

「おーい、ヤマネコっ、やっぱり兄弟になろうよっ」と言うと、ヤマネコは
「いやだね、だっておまえは僕の捕まえた野ウサギを横取りしたじゃないか」と言いました。

アナグマはうつむきながらトボトボ家に帰りました。

そこで、「やっぱりここはひとつ、お兄さんを持とう」と思い立ち、すぐにアナグマのところへ行きました。そして、大きな声で言いました。

「アナグマぁ、やっぱり兄弟になろうよ」と言うと、こんどはアナグマが
「いやだよ、僕は兄弟なんかいらないよ、だって、おまえは僕が冬用に用意しておいたヘラジカの後ろ足を盗んだろ」と言いました。

こんどは、ヤマネコがうつむいてトボトボ家に帰っていきました。

このように、いつまでたっても、アナグマとヤマネコは兄弟になることは出来ませんでした。


おしまい

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